シティタワー麻布十番が競売！

憧れの「麻布十番」駅を最寄りとするシティタワー麻布十番が競売となりました。昨今のマンション価格高騰により本物件の入札も過熱すると思われます。

このマンションがマーケットより安く買えるのであれば嬉しいです。

 

競売であることによるリスクを明確にしつつ、物件を見ていきましょう。

１．所在地

かつては、陸の孤島と言われた麻布十番も、メトロ南北線と大江戸線が開通し交通利便性が大きく改善し、人気のエリアとなりました。両線とも主要ビジネス＆商業エリアへのアクセスが優れるとは言えませんが、本マンションを購入する属性の人にとっては、あまり重要視される点ではないかもしれません。

 

なお、対象地北側を流れる古川は大雨時の洪水が懸念されることから、港区のハザードマップを見てみました。

 

黒丸で囲った所が対象地ですが、これによると本物件への洪水の影響は軽微であるものと思料されます。

 

２．競売物件概要

 

①シティタワー麻布十番について

ガラスカーテンウォールの煌びやかさからは気づきませんでしたが、１２年経年しています。

販売は２００８年頃から初めてリーマンショックど真ん中の案件かと思いますが、「都心に住む」という雑誌の特集「都心タワー
価格上昇率TOP100」を眺めてみたら、本物件がNo３７にランクされていました。

新築時：１億３０３万円（７０㎡換算、４８６万円/坪）

現在　：１億５，２７０万円（７０㎡換算、７２１万円/坪）＋４８％

 

リーマンショック後に１億円超の物件を購入する勇気と資金力を有していた出せる人は相当限られていたと思います。

 

また、２４階と２５階に２層吹抜けのスカイラウンジより東京タワーが眺められるスカイラウンジが設けてあるとのことです。

 

②専有部について

今回競売となっているのは、２１階の１ＬＤＫ：５５．７０㎡です。

部屋の向きは下をご参照ください。間取り図を方角に合わせて回転しています。

対象戸は２００９年に現オーナーが取得しており、かつては美容業コンサルティングの事務所として現在は住居として使用と記載されています。

なお、賃借人はおらずまた管理費等の滞納もないことから、競売案件であることによる減価要因は低いものと思料されます。

 

３. 入札価格査定

以上を基に今回の入札金額を査定していきます。

競売評価書においては、売却基準価格として７，５４６万円（４４８万円/坪）、競売減価（▲２０％）前で９，４３２万円（５６０万円/坪）と評価しています。

最有効使用の判定としては、投資用としての目線も考えられますが、賃料は坪２万円/坪前後に限られるので、自用の取引価格水準には届かず、また現物件に賃借人がいないことからも、自己使用が最有効使用と判断できます。

 

シティタワー麻布十番の取引事例をレインズで検索したところ、

過去１年間での成約事例として１１件見つかりました。

面積が４０㎡台から１１０㎡台と開きはありますが、

①全物件の平均成約坪単価：７０１万円

②１つ高い特異事例を除いた単価：６７９万円

③②に加えオーナーチェンジ物件を除いた単価：６８２万円

 

また現在募集中の事例９件は下の通りです。

④全物件の平均募集坪単価：８０６万円

⑤１つ高い特異事例を除いた単価：７７２万円

⑥⑤にオーナーチェンジ物件を除いた単価：７７７万円（③との比較：１１４％）

 

以上の事例を参考に、本物件は２１階と高層フロアーであること・１年前の取引事例と比較しても価格の上昇が見られることから、本物件のマーケット価格は７００万円/坪と査定しました。

 

次に入札参加者として、リニューアル業者等が入る余地（必要）はなく、エイドユーザーからの直買いが想定されます。

彼らの目線として、競売であることから少しでも安く変えることを期待して▲３％引いた６７９万円/坪：１億１，４４０万円での購入を前提に、仲介業者を介することによる手数料相当額・クリーニング費用・不動産流通税等を控除した

１億８百万円（６４１万円/坪）＊基準価格✕１.４３

と査定しました。

 

来週の入札結果を待ちましょう。

 

仲田リアルエステート㈱

０８０－６６３１－３９３９

 

 

 

２０２１年８月２５日追記

結果発表の日を迎えました。

落札金額は、

１億１，２０１万円（６６５万円/坪）

でした。２３名が入札し法人が落札したと発表されています。

 

概ね想定通りの評価ではありましたが、競売であることによる減価を感じさせない高い落札価格が続いていると感じました。

 

 

競売評価に限らず、評価のご用命がありましたら気軽にお問い合わせください。

 

仲田リアルエステート㈱

０８０－６６３１－３９３９