THE CENTER TOKYO
東京の中心に所在していることから名付けられたとのことですが、インパクトは強いです。
1.所在地
外苑東通りを北上していくと視認性の高いタワーマンションが本物件です。
日本の国防の要である防衛庁の敷地を間借りしていと感じるほど、防衛庁に食い込んだ立地となっています。
防衛省の建物がそれほど高層ではないので、南側・南東側のビューは確保できているものと思われます。
最寄り駅は都営新宿線「曙橋」駅徒歩5分ですが、大江戸線「牛込柳町」駅も徒歩6分で利用可能です。なお、メトロ丸ノ内線「四谷三丁目」駅も徒歩11分ですので、利用可能と言えます。
動画:曙橋駅からの道程(2倍速再生)
2.競売物件概要
①THE CENTER TOKYOについて
尾張徳川家の上屋敷跡にて野村不動産(株)&三井不動産(株)&三菱地所(株)の業界大手3社により2007年に竣工した大規模プロジェクトです。
共用設備として、18Fにスカイラウンジ、ゲストルーム、ライブラリー自習室、キッズルーム、オーバルガーデン、フィットネスルーム、サウナ、ゲストルーム等備えており、その充実度に驚かされます。
②専有部について
25階に所在する本物件は外苑東通り側に開口部を有しています。北西側角部屋に位置し、北側は中層マンションであることから眺望が確保されていると思います。
内部写真を見ると非常に綺麗な状態となっていること・人の出入りがなかったとの記述から、ほとんど使われていなかったのではないかと思います。
登記簿謄本を取得して差押情報を確認して、ふと疑問が湧きました。
通常、競売になる場合抵当に入れた金銭の返済できず債権者から競売開始決定がされますが、本件の場合、突然「オリンパス㈱」が登場してきて競売開始決定がなされています。
また所有者の住所がアメリカフロリダ州となっているのですが、オリンパスと所有者名を入れて検索したところ、同社の過去の粉飾決算に関する記事が出てきました。
そのような社会問題になった事件につながる案件がでてくるとは、
競売案件、やはり何かありますね。
さて、物件については滞納等は無くまた賃借人等もいないことから、競売による減価要因は見込めないでしょう。
3.入札価格査定
以上を基に今回の入札金額を査定していきます。
競売評価書においては、売却基準価格として7,200万円(279万円/坪)、競売減価(▲20%)前で9,000万円(349万円/坪)と評価しています。
最有効使用の判定としては、場所・部屋の面積並びに現物件に賃借人がいないことからも、自己使用が最有効使用と判断できます。
The Center Tokyoの取引事例をレインズで検索したところ、
過去1年に9件の取引事例がありました。
全平均で434万円/坪であり、昨年よりも価格上昇しているものと感じられる価格推移となっています。
またインターネットで対象戸と同じ間取り・面積の販売物件がありました。
価格:1億2千万円 4F @465万円/坪
以上の事例を参考に、本物件は25階と高層フロアーであることから本物件のマーケット価格は450万円/坪と査定しました。
次に入札参加者として、リニューアル業者等が入る余地(必要)はなく、エイドユーザーからの直買いが想定されます。
彼らの目線として、競売であることから少しでも安く変えることを期待して▲5%引いた428万円/坪:1億1,034万円での購入を前提に、仲介業者を介することによる手数料相当額・クリーニング費用・不動産流通税等を控除した
1億5百万円(409万円/坪)*基準価格✕1.46
と査定しました。
来週の入札結果を待ちたいと思います。
仲田リアルエステート㈱
080-6631-3939
2021年8月25日追記
入札結果の発表日となりました。
落札金額は、
1億1,623万円(450万円/坪)
で30名が参加し、法人が落札したと発表されています。
シティタワー麻布十番より白熱した結果、全くもって競売減価はありませんでしたという感じです。
競売評価に限らず、評価のご用命がありましたら気軽にお問い合わせください。
仲田リアルエステート㈱
080-6631-3939
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