これは欲しい!!

銀座駅から徒歩1分の割烹料理店!

大通り沿いから1本入った、お洒落な裏通り感のある石畳の敷かれた道路にその物件は建っていました。

その小路地は三原小路と呼ばれています。

 

物件はこちらの割烹料理店です。

 

物件概要

 

たった17坪の土地が(競売評価でも)1億円超という事ですからね。

では場所を確認しましょう。

文句なしの好立地で有ることがお分かりかと思います。

 

このようなプライムロケーションの物件が競売に出てくるのには、何かがあるはず!ですので現況調査報告書を確認していきましょう。

A:建物所有者(㈱ソルバスアセット)の主張

①2016年5月2日に本建物所有権を取得

②2016年5月2日から1年間の定期借家契約を㈱フォーシーズンズケータリング東京と締結

③東京高等裁判所の判決通り、㈱フォーシーズンズケータリング東京からの金銭の受け取りと引き換えに所有権移転する意向だが、その金銭の支払いが無い事から所有権を引き続き保有しており、(有)銀座四季ないし㈱フォーシーズンズケータリング東京は不法占拠との主張

 

B:㈱フォーシーズンズケータリング東京(占有者)の主張

①寿司割烹を営んでいたが、事情により「A」に所有権移転

②営業は引き続き継続

 

C:Bの弁護士の主張

①Aの主張の通り、㈱フォーシーズンズケータリング東京からの金銭の受け取るまでは所有権はAが保有。

②現在まで支払いをしていないが、近いうちに履行予定

 

東京高等裁判所判決の主な内容

①㈱フォーシーズンズケータリング東京を売主、Aを買主とする売買契約(再売買の予約付き)を2016年5月2日に締結

②2016年5月2日~2017年5月1日を期間とする賃貸借契約書(賃料:150万円/月、*43,029円/延床坪)を締結

③本賃貸借契約書は、更新が無いとする定期借家契約であったはずが「契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借は終了する」とする書面を交付していない事から定期借家契約としては認められず、普通借家契約と見なされること、

④Aの建物所有者は、㈱フォーシーズンズケータリング東京からの金銭の受け取りを拒否している事実があり、賃料不払いによる賃貸借契約書の解除・建物の明渡請求権を請求するのは信義則上、認められない事

⑤占有権原は不明であるが、営業許可の取得状況等を鑑み㈱フォーシーズンズケータリング東京が占有しているものと認められる。

 

 

以上、自分の解釈を含め要約すると、

㈱フォーシーズンズケータリング東京が資金難の時に、短期の買い戻し前提で土地建物を売却し、その間は賃貸借するという話であったが、新所有者はテナントを立ち退かせて売却した方が儲かると(元々?)考え、売買代金の支払い受領を拒み立ち退きさせようとしたが、裁判となり法的に立ち退かせることは出来ないという判決となった。

従って、転売益で儲けようとした絵が無くなり、本件土地建物の購入資金の貸し手への返済が出来なくなり競売に至った、という事かと思いました。

借地借家法が適法に成立していれば、法的に問題無く明け渡し請求出来たのでしょうが、賃借人に定借で更新出来ない事を明確に知らせることを恐れしなかったのでしょうか?

 

以上が権利関係の背景となります。

 

続いて建物を見ていきましょう。

写真は2階の客室です。接待用の隠れ家と言った感じでしょうか。

建物の外観を見る限り、築年数程の古さは感じられず適切に維持管理・修繕されてきたのではないかと感じました。

 

以上を踏まえ、取得価格の算出へと進みましょう。

競売評価書の地価は、3,520,000円/㎡(約11,636,000円/坪)と試算しており、路線価2,950,000円/㎡(約9,752,000円/坪)の1.2倍と公式通りの数値となっています。

本件土地は道路の一部を含みまた再築の際にセットバックを要するとのことで、具体的にどの程度道路として供されているのか明示されていないのですが、減価要因として▲15%=8.67㎡(2.62坪)見ています。

建物は、残存価値を10%見て277万円、

競売減価前の積算価格を153,950,000円と評価されています。

 

 

本物件の投資分析ですが、本土地の最有効使用は何かと考えると接道条件・敷地面積・容積率から3階建の店舗ビル(1棟貸し)となると思います。

なお、現賃貸借契約は抵当権設定日より劣後するため競売落札後6カ月間は猶予されますが、(法的には)退去させることが可能でなので、建物再築を含め最有効使用が可能であることを前提に査定を進めます。

 

コロナ禍の飲食業の厳しい事情は承知しておりますが、将来的に取れる賃料相場として試算しています。

経費率20.5%と試算し、求められたNOIは17,870千円/年です。

 

 

新築の収益店舗ビルとして、Net3.0%、グロス3.7%を売却金額としました。

当該金額から開発業者利益、建設費等を差し引き土地価格としては約4億円(2,286万円/坪、950万円/種)と試算しました。

 

当該上限価格から競売による市場減価・落札後の不動産流通税・建物解体費用等を見積もり、

3億4千万円(1,943万円/坪)*基準価格の2.8倍

路線価比:2.8倍

と試算しました。

 

こちらの結果発表はとても待ち遠しいです。

 

仲田リアルエステート株式会社

仲田

080-6631-3939

 

11月9日更新

(更新が遅くなり、失礼しました)

 

入札結果の発表です。落札金額は

3億2,150万円(セットバック前 1,837万円/坪)

でした。11社が入札に参加し、法人が落札しています。

コロナ禍と言えども、2度と出てこないような案件は激しい入札になることを改めて感じました。

 

仲田リアルエステート株式会社

080-6631-3939

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