中古マンションの価格高騰が著しい昨今ですが、不動産投資の登竜門とも言える1Rマンションの投資利回りについて、現在どの程度となっているのか、競売案件を元に検証したいと思います。

 

今回お題としたのが、憧れの港区で周辺開発が著しい芝浦の物件

「セルカディア港区芝浦」

としました。

 

2010年頃、旧港区スポーツセンターに通うためにJR「田町」駅の芝浦口利用していたのですが、当時は駅前に富士そば・エクセルシオールカフェ等のチェーン店しかなく、またその裏手の土地は更地(土壌改良中)で何もなかったのですが、今はアコーグループの「プルマン東京田町」ホテルやサントリーが本社を構える田町ステーションタワーN、病院(愛育病院)が出来るなど、以前の面影を感じさせない変化が起きている街です。

 

1.物件所在地

本物件は、駅から7分であり当該利便施設が日常で利用できる好立地物件と言えます。

 

2.競売物件概要

 

①セルカディア港区芝浦について

単身用マンションとして求められるオートロック・宅配ボックスが完備されています。

エントランスは石張りで装飾され、投資用物件としては高級感漂う空間となっており賃借人の印象は良いであろうという印象を受けました。

 

②専有部について

競売対象の部屋は7階に位置し、南東向きの中間部屋です。

南側の住宅が道路より下がって建てているので、ビューは無いでしょうがお見合い状態ではないと思われるのが写真より推測されます。

間取りは1Kでバストイレ別の仕様です。

 

本物は所有者により占有されていると記載されていますが、写真を見る限り居住しているとは思えません。

また登記簿謄本では、埼玉県東松山市居住の個人が所有者となっていました。

 

競売申請は東京の個人からの申請で抵当権を有する東京スター銀行からではないのが、特異な事例と思いました。

本競売時点で、170万円超の管理費等の滞納が発生しており、その中に46万円の弁護士費用が含まれている点が本件特異事例の背景なのかもしれません。

 

3.入札価格査定

以上を基に今回の入札金額を査定していきます。

競売評価書においては、売却基準価格として1,027万円(168万円/坪)、競売減価(▲20%)と管理費等滞納補正(▲15%)前で1,511万円(247万円/坪)と評価しています。

最有効使用の判定としては、部屋の面積並びに現使用者の退去が可能であることから、収益使用が最有効使用と判断できます。

また購入者としては、立地・建物の築年を考え融資が受けやす事から、エンド個人(またはその資産管理会社)であると考えられます。

 

まずはレインズにて周辺賃貸事例を調べてみると、20㎡程度の部屋は85,000円~92,000円が賃貸レンジであることと判定できます。

本物件については、その駅からの距離の優位性と周辺利便施設への近接性を反映して90,000円(14,800円/坪)と査定しました。賃貸募集サイトには本物件が管理費込みで10万円近くで募集されていますが、仲介業者への広告宣伝費に2.5か月分を払うなど、やや背伸びをした戦略を取っているのではないかと感じています。

 

NOIとしては、空室率として5%見込み、その他維持管理費・修繕費・固都税等を控除して735千円/年と査定。

(経費率が32%と高いのは、管理費・修繕費がともに7,100円/月と20㎡の部屋としては割高であることに起因)

 

収益価格はグロス利回りとして5%、NOI利回りとして3.4%と判断し、2,162万円(354万円/坪)と試算。

 

入札金額は、本収益価格から管理費等の滞納費用相当額等を控除して、

1,950万円(319万円/坪)

と査定しました。

 

入札結果を待ちたいと思います。

 

仲田リアルエステート㈱

080-6631-3939

 

2021年11月19日追記

去る11月17日の入札結果をお知らせします。

2,468万円(404万円/坪)

32の札が入り、人気の入札となったようです。

 

査定価格が大幅に違い、反省しまくりです。

取引坪単価としては、芝浦側ではない水準ではあります。

仮に10万円家賃が取れるのであれば、グロス利回り4.86%なので、昨今の低利回りを考えればあり得る水準でしょうか。

検証結果

・港区芝浦周辺の1Rは坪400万円へと高騰中!

 

仲田リアルエステート㈱

080-6631-3939

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