今回ご紹介するのは、品川シーサイドにそびえたつ

「プライムパークス品川シーサイド」

です。本件が面白いと思っているのは、築2年と2016年末頃に価格発表&販売開始された物件であることから、約5年前と比べても現在の価格が上昇しているか判断できる指標となるのではないかという点です。

 

なお、本件競売対象住戸が26階以上のプレミアムフロアーの部屋で、当時は単価&総額が張ることから売れ行きが芳しくなかったという口コミが確認できているのでやや特殊事情があることには留意が必要です。

 

1.物件所在地

りんかい線「品川シーサイド」駅徒歩4分と駅距離は近いです。京急本線 「青物横丁」駅も 徒歩9分なので、利用可能な電車と考えられます。

この品川シーサイドには「イオン」があるので、日常の買い物には困らないと思います。

(品川シーサイドは、サラリーマン時代にオフィスビルの購入で足繫く通いましたので、久しぶりに訪れて懐かしく感じました。)

 

2.競売物件概要

 

①プライムパークス品川シーサイドについて

品川シーサイドは元JT品川工場の跡地を再開発した場所で、本マンションの敷地は暫定利用していたフットサルコートを京急が主体となり開発した800戸を超える大型マンションです。

共用設備としては、コンシェルジュ・ラウンジ・スタディルーム・スカイガーデン等充実しています。また1Fにセブンイレブンが入居しているので、日常生活を便利にしてくれると思います。

②専有部について

競売対象の部屋は29階建て建物の28階に所在し、プレミアム部屋と呼ばれ内装材・天井高等が異なるとの記載を確認しています。本物件の場合、東西北方面が高層建物により眺望が遮られている中で、南側に面し眺望が確保できている点で大きな差別化が図られていると思います。

また羊羹切りのレイアウトではなく、ワイドスパンを確保していることも見逃せない点です。

 

 

築2年ということもあり、住居設備についても経年劣化はほぼないものと考えられます。

 

競売の経緯を物件概要書と登記簿謄本より整理すると、

長野の太陽光業者がその元社長の居住用として本物件を担保に法人名義で2019年に購入したが、その借り入れが返済できず当借入先から競売開始決定がされています。

なお、管理費等の滞納はありません。

 

3.入札価格査定

以上を基に今回の入札金額を査定していきます。

競売評価書においては、売却基準価格として9,200万円(276万円/坪)、競売減価(▲20%)前で1億1,500万円(345万円/坪)と評価しています。

最有効使用の判定としては、部屋の面積並びに現使用者の退去が可能であることから、自己使用が最有効使用と判断できます。

 

またインターネット情報によると本物件の新築時の販売価格は、1億3,600万円(408万円/坪)であったものと思われます。

 

プライムパークス品川シーサイドの取引事例をレインズで検索したところ、複数の部屋の取引事例を得ることが出来ました。

低層階の事例が多かったのですが、想像するに新築時250万円/坪程度と割安で販売されており、現在300~320万円/坪で売却できていることから、その転売益目的であると考えられます。

価格レンジとしては300万円/坪~370前後であり、新築販売時は平均で310万円/坪でしたので、価格上昇が確認できる水準となっています。

なお、プレミアムフロアーの成約事例は1つ(60㎡ 365万円/坪)ありましたが、2020年7月の事例であること、部屋のレイアウトが不整形であることから規範性は高くないです。なお、新築時は322万円/坪でしたので約1.13倍価格上昇しています。

 

また募集事例で最上階29F 1億1,980万円(94.32㎡、420万円/坪)が出ています。

(新築時:1億600万円(372万円/坪))

仮に▲5%で成約した場合は400万円/坪、▲8%で成約した場合は386万円/坪となります。

この部屋は北東向きでURの品川シーサイドビュータワー1により眺望が確保されていない事・不整形な間取りであることを考慮して参照する必要があります。

 

以上の事例を参考に、本物件は南側に面し眺望が確保されている希少性はありつつも、1億円を超える価格帯であり周辺でマンションを購入する層より高い水準であることから本物件のマーケット価格は400万円/坪(新築時と変わらず)と査定しました。

 

次に入札参加者として、リニューアル業者等が入る余地(必要)はなく、エイドユーザーからの直買いが想定されます。

競売であることによる特殊減価は考慮せず、クリーニング費用・不動産流通税等を控除した

1億3,000百万円(390万円/坪)*基準価格✕1.41

と査定しました。

 

入札結果を待ちたいと思います。

 

 

仲田リアルエステート㈱

080-6631-3939

 

2021年10月7日追記

昨日発表の落札結果ですが、

「取下げ」

となっておりました。

 

おそらく金融機関の債権額:9,480万円以上の価格にて任意売却が成立したものと思われます。

 

タワーマンションの売却が続いており、今後もタワーマンションの価格動向をウォッチするために競売案件を見ていきたいと思います。

 

仲田リアルエステート株式会社

080-6631-3939

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