かつて人気を博したシェアハウスが競売となりました。
豪華で広いキッチン・お風呂・リビングルームを共有し、シェアメイトと語り合い、外国人シェアメイトとフリー英会話レッスンが出来たり、自室は狭いけど、1人では住めないような超都心の充実した生活が送れるなどで人気となったシェアハウス物件が競売で売りに出ています。
場所は三鷹駅からバス便となりますが、土日には自転車で気軽に吉祥寺にアクセスできる立地です。
なお、本物件が接する道路はグリーンパーク商店街の裏通りとなっており、かつては周辺住民向けの小売店が建ち並んでいたであろう面影を残す通りとなっています。対象物件も、庇が残っているのと謄本の用途が店舗となっている事から昔は店舗であったと思われます
今では、一部店舗は引き続き営業していましたがその多くは閉鎖してしまっており、東側大通りにある駐車場を備えたサミットストアへお客さんは流れてしまっているようでした。
では物件詳細を見ていきます。
このシェアハウスは「三鷹のシェアハウスOKOSHI」という名称で(HPリンク)2019年6月から運営されており、現在6室のうち2室が賃貸募集されているようです。
家賃は、共益費込みで58,000円~66,000円です。
当HPの写真をご覧頂ければ、内装については全てシェアハウス用にリニューアルがなされており、大きなTVや真新しいキッチン・トイレ・浴室が設けられている事が分かります。
続いて、競売3点セットに記載されている内容を確認していきたいと思います。
まずは賃貸借契約内容です。
本物件は所有者から合同会社シェアリアルへ一括賃貸(マスターリース)に供されており、合同会社シェアリアルから賃借人へ転借されています。
なお、転借は1ヶ月~6ヶ月の定期借家権とする縛りがオーナーとの間であります。
以上より、建物所有者には転借人が0人だとしても毎月135,000円の固定賃料が入って来ますが、満室となったとしてもそのおこぼれ(アップサイド)はありません。
また合同会社シェアリアルとの契約は、普通借家契約であると読み取れますが、抵当権の設定が本件賃借権の設定日より早いため、競落人は6ヶ月後に明け渡し請求が可能となります。
続いて、三鷹のシェアハウスOKOSHIのHPに掲載されている現在の稼働状況を見てみます。
2部屋募集中で、賃料ベースでも67%の稼働(249,000円/月)となっています。
3点セットにある間取り・内部写真は以下をご参照ください。
以上を元に、入札価格の査定をしたいと思います。
最有効使用の判定ですが、シェアハウスに改装されてからまだ日数が経っておらずそのままシェアハウスとして運用することが費用対効果が良いと考えられることから、本シェアハウスを収益物件として価格を出します。
賃貸想定
・賃料水準としては、現状の稼働状況から概ね妥当な水準と考え、空室率は常に1室程度は空いている事を前提に15%と査定。
・建物維持管理(清掃)とプロパティマネジメント(テナント管理・月次報告等)は外注。
・水光熱費・インターネット代は共用部分の負担が有ることから、オーナー負担金として計上。
・リーシング費用は1.5年毎に6テナントが入れ替わる前提で計上
経費率50%と比率が高く試算されましたが、規模が小さい一方でやること自体は変わらないことから概ね妥当と判断しました。
NOI利回りですが、
・駅からの距離
・建物築年(旧耐震)
・築年・遵法性からローン調達が難しい
ことを鑑みて、7%(グロス利回り:14%)と査定しました。
売却想定金額は、32百万円。
これから、不動産流通税・業者利益・売却仲介手数料と言った項目を控除した入札金額を、
23百万円 *売却基準価格の1.57倍
と決定しました。
この金額でしたら、現在のマスターリースでもグロス利回り7%となります。
入札結果を待ちたいと思います。
仲田リアルエステート
080-6631-3939
2020年1月25日更新
入札結果をお知らせいたします(更新が遅くなり失礼しました)。
落札金額は
2,229万円
でした。
投資戦略目線としては合致していたものと思います。
仲田リアルエステート株式会社
080-6631-3939
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