コロナ禍でも「都心」

駅近物件

が引き続き人気であるという消費者行動がNHK報道番組で放送されていましたが、その2つの条件を満たす「山手線」のメジャー駅でありリニア新幹線の発着駅となる

「品川駅」

からペデストリアンデッキでつながっている

「品川Vタワー」

が競売となりました。

 

この部屋は2020年7月30日の「配当請求終期の広告」(詳細は以下ご参照)が出されていました。裁判所にて確認した後、当部屋へ任売のお話が出来ないかと尋ねたところ、売却については他社に既に依頼済みという回答を受けていましたので、任意売却交渉を進めていたと思われますが価格が折り合わなかったのか、今回の競売の運びとなっています。

*配当請求終期の広告とは:

競売の申し立てをすると、数日で裁判所は 差押登記 をします。 そして、その物件目録を公告し、競売申立債権者以外にも債権がある債権者に対し、執行裁判所に債権を有する旨を 申し出てくださいという制度です。 執行裁判所は、競売の申立が行われた際には、配当要求の終期を定め、公告をすることが義務付けられています。配当要求終期が公告された後、裁判所や各物件によって異なりますが、平均して3ヶ月~6ヶ月後に開札 となります。この配当要求終期の公告後、多くの不動産は競売にかけられます。(参照:一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会)

 

 

前置きが長くなりましたが、物件概要です。

 

所在地

 

約100㎡のゆったりとした3LDKであり、25階の高層階であることからも人気が出そうな気がします。

なお、当部屋は自用で使われており賃借人はおらずまた管理費等の滞納もありませんでした。

 

売却基準価格ですが、専有単価で260万円/坪は競売としては高いなぁという第一印象です。

昨今の金余りによる不動産(特にマンション)の価格上昇を反映しているのでしょうか。

 

以下が本マンションを購入した場合の管理費・修繕積立金並びに駐車場代・インターネット代となります。

国交省発表のマンション管理費によると、500戸以上のマンションの管理費単価平均は519円/坪であることから、本物件の1,051円/坪は倍くらい高い事が分かります。セキュリティ・コンシェルジュ費用・フィットネスルーム等の共用設備が充実している事に起因しているのではないかと考えられます。

修繕積立金については、472円/坪に対して本物件は767円/坪です。高層マンションであることによる将来の修繕費用を見越しているものと推測します。なお、修繕費が高く管理組合に預金が溜まっているのであれば寧ろ安心できるとも言えます。

 

続いて間取りを見ていきましょう。

南西向きで25階の本部屋の場合、隣りの京王品川ビルとのお見合いは恐らく避けられており眺望が確保されているものと推測します。

 

競売評価書添付の内部写真がこちらです。

(キッチンシンクの写真以外の、他に写すべき写真があるように思うのですが何か決まりがあるのでしょうか?)

 

では、競売落札金額の査定へと進めます。

最有効使用の判定ですが、100㎡と大きい部屋であることから収益価格では賃料総額が伸びない事から、自用(エンドユーザー)による購入となります。

検証の為にざっくり収益価格も出してみましょう。

レインズに登録されている賃貸成約事例を見ると、15,000円/坪が概ねマーケット水準であることが分かります。

本物件の想定成約賃料は、452,000円/月となります。

95%の稼働を想定し、上記の管理費・修繕積立金・固定資産税等を控除したNOIを3,937千円/年と査定。

NOI利回りを3.75%と決定した収益価格は、1億5百万円(専有単価:348万円/坪、グロス利回り:4.9%)。

 

収益物件で買う投資家は常に出口(売却)を考えなければなりませんので、保有期間後の更に経年した本物件の出口リスクを考慮して、このくらいの水準で買いたいのではという利回り感としました。

 

 

続いてエンドユーザーによる取引価格ですが、レインズによる成約事例では500万円/坪がマーケット水準であると読み取れます。

従って本物件のエンド価格は、1億51百万円と求められます。

 

以上より、エンドユーザーへ1億51百万円で売却する事を前提に再販業者が購入する価格(業者利益・販売時仲介手数料・内部リニューアル費用・競売落札時の流通税等を控除)を、

1億9百万円(専有単価:362万円/坪)

売却基準価格の1.39倍

と査定しました。

 

12月23日の落札結果が出ましたら、結果報告をしたいと思います。

 

仲田リアルエステート

080-6631-3939

nakata.re@outlook.jp

 

2020年12月24日更新

昨日入札結果の発表がありました。

落札金額(端数は削除)は

1億35百万円(専有単価:447万円/坪)

でした(26者応札)。

エンドユーザーが業者等を介して直接購入したのではないかと推測します。

競売と言えど、リニューアル工事が不要なマンションは再販業者が入る余地は無くなってきたのかもしれません。

 

仲田リアルエステート株式会社

080-6631-3939

nakata.re@outlook.jp

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