3億8千万円!
を売却基準価格とする渋谷区神宮前の邸宅が競売にかかっています。
最寄駅は銀座線「外苑前」で、原宿・表参道も当然徒歩圏であり、オリンピックスタジアムにも10分以内で着いちゃいます(オリンピックが開催されるかは、この記事を書いている時点では定かではございませんが・・・)
キラー通りには高級な家具店が店を構えていたり、お洒落なカフェ等が多く建ち並んでいます。
その裏手の住宅街は、低層階に店舗・事務所で使用している建物や高級低層マンションの他、立派な戸建もありました。
また周辺においてセコムホームライフ(穴吹興産が取得&子会社)の建築計画がありました。
おそらく分譲用と思われます。敷地は235㎡(71.08坪)とほぼ今回の競売物件と同じ規模です。
物件概要です。
敷地は76坪と贅沢な広さを確保しています。
画地は間口11m、奥行22mの長方形となっており、もう少し間口が広いと理想的かなぁという印象です。
なお前面道路が4.0mしかないので、容積率は160%に制限されています。
現地は人が住んでいる形跡は見受けられず、ラピュタのごとく草木が建物を覆い始めていました。
今回の競売案件が一般的な競売と異なるのは、建物が築7年と非常に新しい点です。
構造も鉄筋コンクリートであり、その仕様も非常に良いと感じました。
その建物のレイアウトは下の通りです。
なお登記簿上は地下1階と表示されていますが、地下1階と道路接道の高さは同じですので、実際の住まいとしては4階建と言えると思います。
EVも付いており、現在も稼働すると物件調査報告書に記載があります。
また内部写真を見ても、非常に奇麗で生活感が無くほとんど使われていなかったのではないかと推測します。
なお、使用床材に大理石との記載もあります。
では購入価格への査定へと進めていきましょう。
本件不動産が最も有効に使用できると思われる最有効使用ですが、建物の築年数・仕様並びに維持管理状態から判断して、建物取り壊しはせず一部リニューアル工事等を行い、そのまま使うのが最善ではないかと考えました。
よって、購入者としては不動産買い取り再販業者、エンドユーザーが最も有力であると思います。
土地価格について、
前面路線価:393万円/坪
公示価格水準:492万円/坪
です。
レインズにて同じ神宮前3丁目の成約事例として、
117.52㎡で196百万円、551万円/坪
47.03㎡で98.8百万円、694万円/坪
戸建物件があったのですが、投資物件(オーナーチェンジ、表面利回り3.4%、賃料坪単価14,251円)が16.41坪で146百万円(建物は築22年の為、0と査定)の売値希望で、890万円/坪。
本土地の価格を700万円/坪と査定すると、公示価格の1.4倍、437万円/種となるのでこのくらいの水準ではないかと査定してみました。
土地価格:700万円/坪×76.77坪=537百万円
続いて建物です。
再調達価格を100万円/坪と見て、
100万円/坪×116.20坪×経済的現価率50%=58.1百万円
(築年としての耐用年数は50%以上ございますが、新築指向の強い日本の市況を鑑みて判断しました)
以上より現状での土地建物のエンド価格は、595百万円。
不動産買い取り再販業者による除草・部屋のクリーニング費用並びに一部設備等の更新・家具等を設置する費用の概算として、駐車場部分を除く床面積約95坪に対して、3,000万円(坪31.5万円)掛けて(内見できないので想定にならざるを得ない)エンド売りとすることを想定し、業者の利益率を15%と査定。
その他、
①本件競売に関わる不動産取得費用(不動産流通税等):8%
②競売での取得に伴う市場リスク:10%
を売却基準価格に対して控除して、
入札価格:462百万円
*売却基準価格の1.2倍
と査定しました。
12月9日の開札発表がありましたら、結果を報告したいと思います。
仲田リアルエステート株式会社
仲田
080-6631-3939
2020年12月24日更新
更新が遅れてしまい、失礼しました。
落札金額は、
489百万円
でした(10者応札)。
都心の築浅マンションの過熱ぶりから考えると、まだ買い取り再販業者が介入できる水準での落札金額であると考えられます。
仲田リアルエステート株式会社
080-6631-3939
nakata.re@outlook.jp
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